News
酪農家の方へ大分県生乳検査所での新たな乳成分検査項目出力について
組合員の皆様へ
令和 6 年 3 月 21 日
大分生乳検査所での新たな乳成分検査項目出力についてのご案内
いつも大変お世話になっております。
標記の件について、令和6年4月より当組合で導入した生乳検査機「コンビフォス™7DC」で新たな乳成分項目が出力されます。
追加される乳成分としましては
「denoboFA(デノボ脂肪酸)、preformedFA(プレフォーム脂肪酸),mixedFA(ミックス脂肪酸) 「denoboMilk(デノボMilk)」※調整中
|
以上の成分を通常の乳成分検査結果と一緒に確認出来るようになります。
※検査料金につきましては別途発生はありません。
新たに追加される乳成分については、飼養管理の改善や飼料設計等に活用可能な数値となっています。
新成分の活用方法について
注意:指標、参考にご活用ください!!
- 脂肪酸組成
1.denoboFA(デノボ脂肪酸)
・粗飼料由来の脂肪酸。ルーメン発酵により生成される「酢酸」や「酪酸」を供給源に乳腺細胞で新たに作られる脂肪酸となります。
・平均値指標:「分娩後60日以内:22%以上」 「泌乳中期以降:28%以上」
2.preformedFA(プレフォーム脂肪酸)
・濃厚飼料由来の脂肪酸。乳腺で作れない既成の脂肪酸で「餌由来の脂肪」と「乳牛自身が蓄えていた体脂肪」で作られています。
・平均値指標:「分娩後60日以内:50%以下」 「泌乳中期以降:40%以下」
3.mixedFA(ミックス脂肪酸)
デノボ脂肪酸・プレフォーム脂肪酸の両方に含まれる脂肪酸。
・現状、平均成分値の指標が全国的にも出ていない為、正しい活用方法が示されてません。普段の検査成分と比較した際、数値に大きな変動があれば農場内・牛群内で何か問題が発生している可能性があります。日々の飼養管理指標として活用ください。
4.denoboMilk(デノボMilk)
・デノボ脂肪酸を乳中ベースで指標としたものです。乾物摂取量の充足率などの指標に 活用ください。
・平均値指標:「全乳期:0.9%以上」
- MUN(乳中尿素態窒素)
・MUN(乳中尿素態窒素)は給与飼料のエネルギーと蛋白質のバランスを表す指標です。MUNが高いと飼料中の蛋白質過剰や肝機能の負荷が懸念され、低いと蛋白質不足が懸念されます。
・平均値指標:8.0~16.0mg/dl以内推奨
- FFA(遊離脂肪酸)
・牛乳の風味を測る指標の1つです。まだ検査機械の数値の整合性が曖昧で正しい活用方法がまだはっきりとしていません。
ただ全国的には2.0mmol/100gFAT以上で生乳の風味異常が発生しやすいと言われています。またエネルギー不足を起こしている個体でも数値が高くなる事もあるようです。FFAを高めない為には搾乳・冷却機器の面と飼養管理の面を確認する必要があります。
- BHB(β-ヒドロキシ酪酸)
・潜在性ケトーシスや栄養不足を予測するケトン体の1種です。低ければ低いほど望まれ、個体でBHBが0.13mmol/L以上だと栄養不足によるケトーシス等が疑われます。また泌乳初期などのストレスが掛かりやすい時期等には高くなる傾向があります。
・指標:0.13mmol/L以下推奨
分娩直後(分娩~15日)に高BHB牛が多い場合、 分娩前からのエネルギー不足が疑われます。 分娩間隔が長く過肥での分娩を迎える牛には注意が必要です。
全乳期で高BHB牛が確認される場合、発酵品質不良のサイレージの使用など給与飼料の品質を確認しましょう。
数値の詳しい活用方法につきましては、大分県酪 生産課までにお問い合わせください。(TEL:097-586-4225)