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すべての方へ 23年02月16日

大分の酪農家を紹介します!! ④~佐伯市 (有)中川牧場~

大分県の酪農について県内外のたくさんの人々に知ってもらうためのコーナー

「大分の酪農家を紹介します!!」

 

第4回目となります今回は、佐伯市の(有)中川牧場 中川安則さんをご紹介します。

㈲中川牧場さんは、佐伯市内唯一(R5.2月現在)の組合員です。

 

《地域の概要》

佐伯市は大分県南東部に位置し、日本有数のリアス式海岸地帯が広がっています。

「城山」をはじめ緑豊かな山々に囲まれており、九州の市町村で1番面積が大きいことでも知られています。

 

《(有)中川牧場について》

今回お邪魔した(有)中川牧場は、佐伯市内にある唯一の酪農場です。

(有)中川牧場では現在ホルスタインを41頭、和牛を数頭飼育しています。

昭和34年にお祖父様が1頭を導入したことが始まりです。

中川さん自身は平成7年に農業大学校を卒業後、そのまま就農しました。

「機械や車が好きだから、就農したら様々な車に乗れるかな」という理由で就農を決意したそうですが、今は牛が好きだから続けられているとのことです。

肉用牛の飼育については、平成16年の生産調整を機に、平成18年より和牛の繁殖をはじめ、乳肉複合経営をスタートしました。

メインの搾乳牛舎は、対尻式のつなぎ牛舎で、平成4年に基礎から手作りで建設されました。

子牛と繁殖用の牛舎は当時88歳のお祖父様が建て、育成牛舎は奥様と建てたそうです。

なるべくコストを削減するために、穴が空いてしまったところなどは中川さんご自身で修繕をしているとのことです。

㈲中川牧場は、令和3年度九州生乳販連生乳品質共励会にて優秀賞を受賞され、大分県では1番の成績を収められました

 

《作業について》

日々の作業については大まかに以下の通りです。

・餌の仕込み

・除糞作業

・餌やり

・哺乳

・搾乳

・堆肥販売など

(※時期によって畑仕事)

 

〇役割分担〇

中川さん→餌の仕込み、除糞作業、搾乳など

奥様→餌やり、哺乳など

 

自給飼料を作っている中川さんは、牧場の仕事だけではなく、繁忙期には10町もの畑での作業もあるようで、とくに夏場の日中はほとんど畑仕事をしているそうです。

 

 

《搾乳作業見学》

牧場に到着したのは、搾乳が始まる前の午前8時頃でした。

 ↑ 牛舎の様子

 

搾乳準備をしていた中川さんに挨拶をし、いよいよ搾乳スタートです!

 
↑ 大事な前搾り作業です!       ↑ ミルカーを取り付けているところです

                                        

 

搾乳中も私たちに様々なことをお話ししてくださいました。

「この子はおとなしい」「この子はとてもいたずらっ子で帽子を取ったりする」など、1頭1頭の特徴を教えてくださり、日頃から牛をよく観察し、牛に対して愛情深く接しているということが伝わってきました。

(有)中川牧場の牛たちはとても穏やかで人懐っこく、私たち取材陣が近くに行っても逃げることなくお顔を見せてくれました♪

 

牛が汚れるのが好きじゃない」とおっしゃっており牛舎の中はもちろん、牛たちが過ごす牛床もとても清潔に保たれていました。

敷料の価格が少し上がっても自分の牧場に合うものを使いたいとのことで、細かい部分にも中川さんのこだわりがうかがえました。

 

 

↑ 搾乳を終えた牛達はリラックスしていました           

 

牧場で奥様と一緒に作業をするときには常に会話をし、楽しく作業をされているそうです。

お二人は「車が好き」という共通の趣味を通じて仲良くなったとのことですが、今現在もその趣味は変わらず、日々仕事と趣味の両方を楽しんでいるようでした!

また、外出する際は中川さんが奥様に「一緒に行く?」と声をかけほとんど一緒に外出しているそうです。

お二人の仲良しエピソードを沢山聞くことができて、取材陣まで幸せな気持ちになりました♪

 

 

《敷地内見学》

搾乳後に他の牛舎も見学させていただきました。

なんと、ほんの数日前に産まれた子牛がいました!

中川さんが牛舎に入ると、子牛たちは「なでて~」と近寄ってきてとても可愛かったです!

この子は〇〇ちゃん、この子は〇〇くんなど(有)中川牧場の牛たち全頭には素敵な名前が付いていました。

名前は娘さんがつけているそうです。

 

育成牛舎にもお邪魔しました!

育成牛舎にいる牛たちも人懐っこく、好奇心旺盛の可愛い子ばかりでした。

姉妹や兄妹、親子も多かったです。

 

  ↑ 見慣れない取材陣が気になるご様子

 

 

中川さんは”人との繋がり”をとても大切にしており、九州酪農青年女性酪農発表大会に出場された時など、今までに出会った方々と交流を続けているそうです。

また、SNSを活用されており、SNSを通じて知り合った方が全国各地にたくさんいるとのことで、

幅広い人脈を活かし、「困った時はお互い様」の精神でお互いに助け合うことをモットーとしているようでした。

台風などで牛舎が被災した酪農家仲間のもとへ直ぐに駆けつけたり、飼料が無くなって困ったときは送って貰ったりなど、常に助け助けられて仕事が成り立っているとお話ししてくださいました。

 

《㈲中川牧場 中川安則さんにQ&A》

Q.牧場の歴史(又は始めたきっかけ)を教えて下さい。

A.昭和34年に、祖父が乳牛1頭から開始、今年で64年を迎えます。

 

Q.酪農経営においてのこだわりや、大事にしていることを教えて下さい。

A.乳質、牛作り、草作り、堆肥作り全てにおいて妥協しないことです。

 

Q.酪農をしていて良かったことは何ですか?

A.沢山の仲間に出逢えたことです。

 

Q.牛乳の好きな飲み方や、好きなミルクレシピがあれば教えて下さい。

A.搾りたてが1番美味しい!

 

Q.今後の目標やビジョンがあれば教えて下さい。

A.現在の酪農情勢は非常に厳しい状況にありますが、まずは経営継続し、いつか妻とゆっくり日本中を旅したいです。

 

Q.消費者の方々に向けて一言お願いします。

A.いつもご購入いただきありがとうございます。美味しい牛乳を搾るので、これからも宜しくお願いします!!

 

 

《県酪担当者より》

約1年ぶりとなりました、「大分の酪農家を紹介します!!」第4回目は、佐伯市にて日々奮闘されている(有)中川牧場の中川安則さんに取材をさせていただきました。

『畜産は一人ではできない、人との繋がりが大切。』と力強く語ってくださったお姿がとても印象に残っています。

未だコロナ禍かつ酪農情勢において厳しい状況が続く中で、快く取材を受け入れてくださいました(有)中川牧場 中川安則さんに感謝を申し上げると共に、今後ますますのご発展とご活躍を、県酪職員一同心よりお祈りしております。

 

※酪農家の牧場は各牧場の私有地となっております。各牧場へご用の際は当組合へ問い合わせのうえ、無断での立ち入りはご遠慮ください。

思わぬ事故の防止や安心安全な生乳の出荷の為にも、皆様のご協力を宜しくお願いいたします。